お母様といとこへのカワセミのお位牌と月のお位牌
どちらも縦横6センチ程度の小さな位牌。
同じ町内の方からの御注文。
お母様といとこをお仏壇で守っていらっしゃるのだそうですが、ガラスが元々
好きだし、折角ガラスに深く関わってきた町に住んでいるのだから、いつか
ガラスで2人の位牌を作りたいと常々思ってきたそうです。
そこで私共の工房へ相談にみえました。
戒名がカワセミと、月と風を意味するものだから、それに添ったイメージで製作し、戒名と命日を彫り込む事。
時々手に取ったリ、綺麗にしてやりたいから、ちょっと触っても転がらず欠けたりしやすい尖ったくちばしなどは付けないで欲しい。
大きさも、手の平にちょこんと乗る程度のものでいい。
というのが注意された点でした。
位牌というと、あの黒くて長い板切れのような形で、イメージが固まっていたの
ですが『これからの時代、拝む人がそれで良ければ、どんな形のお墓だって仏壇
だって位牌だっていはずよ。』とその方はおっしゃいました。なるほど、、、
実はその前に、もう3年も脳死状態の娘がいざという時に、遺骨を入れておける
天使の小瓶を、作ってもらうことはできないだろうかとお母さんに相談されてい
ました。
今年13歳になるそうですが、元気な時に『将来はガラス職人になりたい』と
夢を話してくれたそうです。それで、ガラスの小瓶を思い付いたそうです。
そんな事もあって、これからは既存の枠にとらわれない信仰の形がうまれるんだ
なあと実感していました。
結局の所、あまりごてごてしたものは勘弁してほしいということなので、できる
限り丸に近い形でいろいろ試行錯誤しました。
それぞれ3つづつ作って見て頂いたのですが、なぜか1番最初に作った方を気に
入って下さって、(なんだ先に見せておけば余分に作らなくてよかったな)など
と後悔してしまいましたが、その余分の作品を作るにあたってとても悩んだので
良い勉強になりました。
今回も苦労しましたが、お届けした位牌は大変喜ばれ、私もうれしくなりました。
0コメント