欺かない

天使ちゃんの卵

と呼ばれる、私が作るガラスのお位牌。

いつも、本当に苦しみながら制作している。

天使ママ達の悲痛な想いが、パソコンから飛び火するように私の体調まで左右することも少なくない。

そして、その想いの深さからデザインへのこだわりも強い方が少なくない。

両方を汲み取って、熱く流動的なガラスという素材を形作るのは、非常に困難なことだ。

この卵もそうだ。

ママのたっての願いから、非常に難しいデザインを作ることになった。

頑張って、頑張って、ついには病に倒れた3歳のお嬢さんのお位牌。


ご希望の羽根と、月を綺麗に入れるというご要望。

やってみるけど、ごめんなさいということも大いにあり得る。とお答えしても、引き下がらなかった。

そのママも翌月天国へ、、、

私は、なんとか彼女の最期の願いを叶えようと努力し、4度目にやっとうまくいったと思った。

ある一点を除いて、、、

そのことを伏せて、画像をパパにメールして、昨日了承していただいた。

その卵を、さっき主人が何気ない動作で壊してしまった!

普段絶対、私に謝ることをしない彼が、申し訳ないと謝った。

私がどんなに苦労したか知っているからだ。

だけど、私には怒りが湧いてこなかった。

(あぁ、やっぱりこうなるんだ、、、)

と、漠然と思っていた。

今までも、自分が納得しない出来栄えのお位牌が、本当に何でもないことで壊れてやり直さざるをえない不思議な現象があった。

今回も、他のひとから見れば大したことではない、羽根の数ミリのズレに納得していなかった。

卵が自分から壊れたのか?それとも、天国のママが

『やり直して!』

と言っているのか?

いずれにしても、自分とパパを欺こうとした私への報いだ。

明日からまた挑戦だ。

今度こそ、自分の心に正しく、、、

それが、新たに一人歩んでいくパパの為になると信じて、、、

そして、このお仕事は私を成長させてくれると信じている。  

世界でたったひとつのガラスのお位牌と仏具

大切な家族、ペットとの何気ない日々、忘れられない笑顔、情景を思い出せるカタチ。 黒塗りのお位牌や金属の仏具ではなく、柔らかな色合いの澄んだガラスで、そんな想いをあなたの代わりに製作いたします。