雲が浮かんだ空のお位牌
亡くなったお子さんのお名前にちなみ、空に浮かぶ雲のイメージで作ったお位牌。
丁寧なデザイン画を送ってくださいました。
お位牌はその通りできると思ったのですが、雲の形の指示が、
ネットで探してこられたカラフルなイラストでした。
彫刻シートにするには、モノクロの画像でかつ、ほしいアイテムのみのものが
必要なので、完全な絵のある一部分だけというのは、画像処理が必要です。
私がやってもいいのですが、それは時間と手間がかかりますし、お位牌の
価格に加算されますから、できるだけご依頼者側で済ませた方がいいと
アドバイスさせていただきます。
そこで、お母様が手描きで雲を描いてて、それを写真に撮っておくってくださいました。
お名前に指定されたフォントも私のパソコンには入っていなかったので、
データとして送ってもらってそれを業者に彫刻シートにしてもらいました。
当初のご希望は、ガラスの中に雲をとじ込めてほしいというものでしたが、吹きガラス技法は常常に一定の速度で棹を回す必要があり、最初はきれいに入れられたとしてもだんだんと回転によるねじれで最後は崩れてしまいます。
たとえていうなら、瓶に詰め込んでおいてレジンを流して固形物にする、、、というような表現ができません。
そこで、裏側から彫刻して、正面から雲が遠くに浮かんでいるように見えるように
アドバイスさせていただきました。
もうひとつ、ガラスは球体なので裏側からだとレンズのように拡大されて歪んで見えます。
けれど、雲なら多少ゆがんでも大丈夫と判断しました。
ガラスガラスの向こうに、雲がふんわり浮かんだお位牌になりました。
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