ご家族立会いの下にお位牌製作

日曜日、お位牌の相談に若いご夫婦がお越しくださいました。

6年生のお兄ちゃんと、まだ2つくらいの女の子も一緒に。

命日を書いていただいたら、たった1週間前でした。

前の検診では『元気だね!』と言われたのに、次の検診ではもう心音が聞けなかったそうです。

その数日後に促進剤を打って出産。

『本当にすぐに生れてきて、親孝行です。』

だからママは、産後1週間でこうして茨城から西伊豆まで来られたのです。

当初はお電話やファックスでやり取りするつもりでしたが、直接話した方が早いだろうと、ご主人が車で連れて来てくださいました。

パパが絵心のある方で、ちゃんと着色したデザイン画をお持ちくださいました。

けれどデザイン画って、しっかり描かれていても、案外制作上知りたい情報が描かれていないことがあります。

ラインの太さや、ねじれ方、色の入り方や幅、濃さ、卵の形、、、

すり合わせすることが実はたくさんあるのですが、通常は細かいところはほとんど私に一任されます。

必然的に、私にもお客様にも完成図がもやもやしたまま取りかかり、途中お客様が描かれなかったご希望のニュアンスを、探りながら、完成しても不安で、納得できるまで何個も作ったり、、、

結局、最初のもので良かったりして、、、

せっかく、遠くから起こしいただいたのですから、お時間が許すのなら今から制作に立会ってみませんか?

と、御提案したら、喜んでくださいました。


お客様に直接問いながら制作するのは、(こんな感じでいいのかな?)という不安感が全くなく、一緒に作り上げているという充足感がお互いにあったと思います。


ねじりはこのくらいでどうですか?

もう少し、、、

じゃあ、このくらい?


など、逐一伺うことができました。

色ガラスも、実は制作中は高温で色が全く違って見えます。

色によっても特徴が違います。

長年の経験から、こうなるんじゃないかと完成形を想像して色を配分したり、濃さを微妙に変えたりして作ります。

完成形を見るだけでは全く伝わらない、細かななことで苦労している姿を、お客様に理解していただける機会となりました。

だんだんとお位牌が出来上がっていくのを、ご家族みなさんが興味深くわくわくしながら見守ってくださいました。


まるで、お位牌の誕生に立ち会っている、、、

そんな感じでしょうか?

お客様がいらっしゃってから、2時間以上かかっていました。

時間はかかったけれど、お互いに納得しながら作り上げた連帯感のような余韻を残して、ご家族は帰って行かれました。

世界でたったひとつのガラスのお位牌と仏具

大切な家族、ペットとの何気ない日々、忘れられない笑顔、情景を思い出せるカタチ。 黒塗りのお位牌や金属の仏具ではなく、柔らかな色合いの澄んだガラスで、そんな想いをあなたの代わりに製作いたします。